裁判所・法的
支払督促(簡易裁判所)が届いたら|異議申立ての期限と手順
「支払督促」は、お金を請求する側(債権者)の申立てにより、簡易裁判所の書記官が発する書面です。裁判官が証拠を調べて判断したものではなく、判決でもありません。郵便局員が手渡しする「特別送達」という方法で届き、封筒に裁判所名が印刷されています。中には「督促異議申立書」という用紙が同封されています。受け取った日から2週間以内に督促異議を申し立てれば、手続は通常の訴訟に移り、あなたの言い分を主張する場が与えられます。逆に何もしないでいると、債権者は仮執行宣言を得て、給与や預金の差押え(強制執行)に進むことができます。金額が正しいかどうかにかかわらず、届いたら必ず期限内に対応してください。
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本物の支払督促は、必ず郵便局員が手渡しする「特別送達」で届きます。普通郵便、はがき、封筒のポスト投函、SMS、メール、封のない圧着はがきで届いた「支払督促」「訴訟最終通告」などはすべて偽物です。本物には必ず「督促異議申立書」が同封され、裁判所名・事件番号が印刷されています。本物が、電話をかけて示談するよう求めたり、個人名義の口座への振込、コンビニ払い、電子マネー、プリペイドカード、マイナンバーやキャッシュカードの提示を求めたりすることは絶対にありません。書面に書かれた電話番号には掛けず、裁判所ウェブサイトや電話帳で自分で調べた簡易裁判所の番号に電話して事件番号を照会してください。判断に迷うときは消費生活センター(188)や警察相談専用電話(#9110)に相談できます。
誰に届くか
クレジットカードやカードローン、携帯電話料金、家賃、奨学金、通販代金、医療費などの未払いがあると債権者から申立てられることがあります。連帯保証人になっている場合や、家族・元同居人が自分の名義を使った場合、既に完済した古い借金を債権回収会社が買い取った場合にも届くことがあります。日本に住所がある人であれば国籍を問わず対象になります。
やること
- 1封筒を捨てず、郵便局員から受け取った日(不在で局に取りに行った場合はその受取日)を必ずメモしてください。
- 2書面に印刷された裁判所名・事件番号((ロ)の記号が入ります)・債権者名・請求金額・請求の理由を確認し、心当たりがあるか整理します。
- 3裁判所の電話番号は書面に書かれた番号ではなく、裁判所ウェブサイトや電話帳で自分で調べた番号にかけて、その事件が実在するか確認できます。
- 4少しでも金額や内容に納得できない、または身に覚えがない場合は、同封の「督促異議申立書」に記入して発行した簡易裁判所へ期限内に提出し(郵送なら特定記録や簡易書留+控えのコピー)ます。
- 5支払う意思がある場合や分割を相談したい場合でも、まず期限を守ったうえで債権者に連絡するか、法テラス・弁護士・認定司法書士に相談してください。
期限について
期限は「支払督促の送達を受けた日から2週間以内」で、書面の本文に督促異議の申立てに関する注意書きとして印刷されています。起算日は郵便局員から受け取った日(局で受け取った場合はその日)で、発行日ではありません。2週間を過ぎると債権者は仮執行宣言の申立てができ、その仮執行宣言付支払督促が届いてからさらに2週間、異議を出す機会が残りますが、その間でも差押えが可能になります。期限は日曜・祝日を含めて数えるため、届いたその週のうちに動くのが安全です。
よくある勘違い
- 異議を申し立てると、裁判所を怒らせたり不利になったりしませんか。
- なりません。督促異議は法律で認められた権利で、理由を書く必要もありません。異議を出すと支払督促の効力が止まり、手続は通常の訴訟に移って、あなたが事情を説明できる場になります。
- 無視して放っておけば、そのうち消えますか。
- 消えません。むしろ最も危険な選択です。異議がないまま期間が過ぎると仮執行宣言が付き、給与・預金・売掛金などの差押えが可能になります。受け取りを拒否したり居留守を使ったりしても、書留郵便に付する送達などにより送達済みとして扱われることがあります。
- 支払督促は判決と同じですか。
- 同じではありません。裁判官が審理したものではなく、書記官が債権者の申立書の記載だけを見て発するものです。だからこそ内容が事実と違うことがあり、それを正すために異議申立ての制度があります。
- 時効になっているはずの古い借金です。放っておいてよいですか。
- いけません。時効は自動では成立せず、援用という手続が必要です。放置して確定すると、もう時効を主張できなくなることがあります。まず期限内に異議を申し立て、その上で弁護士や認定司法書士に相談してください。
ほかの書類
このページは一般的な説明です。個別の判断は、書類を発行した窓口や専門家にご確認ください。