金融・カード

債権回収会社・弁護士事務所からの督促状が届いたら

「債権回収」「法的措置」「最終通告」「訴訟準備」といった強い言葉が並ぶ督促状は、大きく分けて二種類あります。一つは、法務大臣の許可を受けた債権回収会社(サービサー)や、債権者から依頼を受けた弁護士・司法書士事務所が送る本物の請求です。もう一つは、実在しない会社名や事務所名を名乗って現金をだまし取ろうとする架空請求(詐欺)です。文面の強さでは区別できません。強い言葉が書いてあること自体は、本物である証拠にも偽物である証拠にもなりません。 本物のサービサーからの督促状には、通常、法務大臣許可番号(「債権管理回収業に関する特別措置法」に基づく許可第○○号)、会社の所在地と代表電話、そして「原債権者」(もともとお金を貸した会社、カード会社、通信会社など)の名称と契約番号、滞納が始まった時期などが書かれています。心当たりのある原債権者名が書かれている場合、その債権が他社に譲渡され、回収を任されている可能性があります。 一方で、書面に書かれている電話番号やLINEにその場で連絡するのは避けてください。本物であれば、こちらが自分で調べた公式の連絡先からでも話ができます。偽物であれば、電話をかけた時点で「支払う意思のある人」として狙われ続けます。また、裁判所からの本当の書類(支払督促、訴状など)は、原則として郵便局員が手渡しする「特別送達」で届き、ポストに投げ込まれたり、SMS・メール・LINEで送られてきたりすることはありません。

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詐欺に注意

本物の債権回収会社は、法務大臣の許可を受けた実在の会社で、書面には許可番号と原債権者名が記載され、支払先は必ず会社名義の口座か払込票です。個人名義の口座、コンビニでの電子マネー・ギフトカード購入、暗号資産、現金の郵送を求めてきたら、その時点で詐欺です。マイナンバー、キャッシュカード、暗証番号、通帳を聞かれることも絶対にありません。「法務省管轄支局」「民事訴訟管理センター」など、実在しない役所風の名称をSMSやハガキで名乗る手口も多く、裁判所の書類がSMS・メール・LINEで届くことはありません。確認するときは、書面の番号ではなく、自分で検索した法務省の債権回収会社一覧、日本弁護士連合会の弁護士検索、または消費者ホットライン188を使ってください。

誰に届くか

数年前に滞納したまま忘れていたクレジットカード、消費者金融、携帯電話料金、家賃、奨学金などがある人に、債権を譲り受けた債権回収会社から届くことがあります。会社をたたんだ後の未払金や、連帯保証人になっていた債務について届く場合もあります。まったく心当たりがないのに届いた場合は、名簿を元に無差別に送られた架空請求である可能性が高いですが、同姓同名との取り違えや、家族が自分の名前を使っていたケースもあります。

やること

  1. 1封筒と書面をその場で捨てず、差出人名・住所・電話番号・許可番号・原債権者名・契約番号・請求金額・支払期限をメモまたは写真で残します。
  2. 2書面に印刷された電話番号にはかけず、法務省ウェブサイトの「債権回収会社(サービサー)一覧」や日本弁護士連合会の弁護士検索で、その会社・事務所が実在するかを自分で確認します。
  3. 3身に覚えがない、または最後の返済から長い年月が経っている場合は、その場で支払わず、一部入金もせず、「払います」と口頭でも約束しないでください(時効が振り出しに戻ることがあります)。
  4. 4消費者ホットライン188(局番なし)または市区町村の消費生活センターに書面を持って相談し、必要に応じて法テラス(0570-078374)や弁護士会の法律相談につなげてもらいます。
  5. 5本物で支払う意思がある場合は、必ず会社名義の銀行口座か、書面記載の払込票を使い、分割の相談も含めて記録が残る形で連絡します。

期限について

督促状には通常「○月○日までにお支払いください」という支払期限が、金額の近くか書面下部の枠内に印刷されています。ただしこれは債権者側が一方的に設けた期限であり、その日を過ぎたからといって自動的に給料や財産が差し押さえられるわけではありません。差押えには裁判所の手続きが必要です。本当に急ぐのは、裁判所から特別送達で届いた書類の場合です。支払督促には「異議申立ては送達を受けた日から2週間以内」といった期限が同封の説明書に明記されており、この期限を逃すと相手の言い分どおりに手続きが進んでしまいます。裁判所名が入った書類が特別送達で届いたときは、期限が書かれた箇所を探し、すぐに専門家に相談してください。

よくある勘違い

「法的措置」「訴訟準備」と書いてあります。すぐに差し押さえられますか。
民間企業や事務所が送る督促状そのものに、財産を差し押さえる力はありません。差押えには訴訟や支払督促といった裁判所の手続きと、確定した判決等が必要です。ただし本物の債権で放置を続ければ、実際に裁判所の手続きに進むことはあります。「今日中に払わないと差押え」といった急かし方は、詐欺でよく使われる表現です。
まったく身に覚えがありません。無視していいですか。
差出人が実在しない、または法務省の一覧にない業者であれば、連絡せず放置するのが基本です。ただし「無視してよいかどうか」の判断自体を自分だけでするのは危険なので、書面を持って消費生活センターに相談してください。裁判所からの特別送達だけは、身に覚えがなくても絶対に無視しないでください。
10年以上前の借金です。時効ではないですか。
消滅時効が完成している可能性はありますが、時効は自動的には成立せず、「時効援用」という意思表示を正しい方法で行う必要があります。しかもその前に少額でも支払ったり、電話で「分割なら払います」と言ったりすると、時効が振り出しに戻ってしまいます。この判断は法律の専門領域なので、支払う前に弁護士または認定司法書士に相談してください。
少額なので、面倒だから払ってしまってもいいですか。
相手が架空請求だった場合、一度でも支払うと「反応する人」のリストに載り、別の名目で請求が続きます。本物であっても、時効の可能性や過払金の有無を確認せずに支払うと不利になることがあります。金額の大小にかかわらず、まず相手の実在確認と無料相談を先に済ませてください。

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ほかの書類

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